毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

若年性アルツハイマーの女性を描いた映画『アリスのままで』をNetflixで観た。記憶が失われていく女性をジュリアンムーアが見事に演じ切った愛の物語。

アリスのままで

 認知症、その原因となるアルツハイマー。それが40〜50代で発症するケースがあるらしい。今回紹介する作品はこの『若年性アルツハイマー』が発症した女性、アリスを描いた映画。
 記憶が失われていくアリスとそれを見守る家族、認知症患者との最良の付き合い方を教えてくれる傑作でした。


若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづった全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じたジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したドラマ。ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道がわからなくなるといった事態が続く。やがて若年性アルツハイマー症と診断され、家族の介護もむなしく、アリスの記憶や知識は日々薄れていく。そんなある日、アリスは記憶が薄れる前に自らパソコンに残したビデオメッセージを発見し、自分が自分でいられるために、画面の中の自分が語ることを実行しようとする。アリスの夫をアレック・ボールドウィン、2人の娘をケイト・ボスワースクリステン・スチュワートが演じた。監督は、自身もALS(筋委縮性側索硬化症)という難病を抱えるリチャード・グラッツァー。(以上映画.comより)

予告編↓

90点

 認知症患者との付き合い方、それは『愛』を持って接すること。「現場はそんな簡単なもんじゃない!」なんて声が聞こえてきそうですが、愛を持って接している人たちは現にいて、つい反論が出てきてしまう当事者ほど、このような作品に触れ合い、自分を見つめ直すのに良いのではないでしょうか。

 確かにこの映画には悪い人が出てこず、認知症の症状も行き着くところまで行き着かないまま終わる。「本当に辛い部分を描いていない」なんて言われるかもしれないが私はこの映画を観て、この家族ならどんな状況になっても大丈夫だろうという安心感を覚えた。

 認知症患者に対する介護の難しさを描くのであればその先を描いていただろうし、意地悪な連中も登場させたりしていたかもしれない。しかし、この映画は認知症患者への最良の付き合い方、「愛を持って接する」という思考を根底に持っておくべきと鑑賞者側に伝える作品であると私は感じた。故に作品を通して哀れみよりも綺麗な愛を描いたのは正解だったと考える。
 

 この映画を観て思い出したのが、認知症のおばあちゃんの徘徊に付き合ってみたというようなどこかで読んだ記事。おばあちゃんの話を聞きながら色々な場所を回って行き着く先が郵便局で、おばあちゃんは「昔ここで働いていた」と言う。郵便局で働いていたのは確かだが場所はそこではない。これが一回ではなく何度もそこに行ってしまうのだが局員さんは嫌な顔一つすることなく、話を合わせてあげていたという。
 その後おばあちゃんは満足したのかすんなり言うことを聞いて一緒にタクシーに乗って帰ったという話。
 優先順位をおばあちゃんにする、愛があるから成せる自己犠牲。そんな介護者へも愛でもってサポートしてあげる社会。最良の介護システムはそこにある。
 『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』の記事でも書いた『善意の継承』ってやつですね。

 年金目当ての延命だったり介護疲れからの殺人など、哀しくなる現実が浮かぶ現代社会に一度自分を見つめ直すためにも、この『愛』を描いた作品に触れてみてはいかがでしょうか。

認知症「不可解な行動」には理由がある (SB新書)

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