毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』を観た。EXILE小林直己の存在感。サスペンスとしては弱いが真の本筋にはメッセージが込められていた。同監督作品『アリスのままで』を彷彿させるラストの余韻に私はしばし遠くを見つめてしまった。(終盤ネタバレ有)

アースクエイクバード

 日本を舞台にしたNetflixオリジナル映画『アースクエイクバード
 配信前からずっと気になっていた作品。
 自分はEXILE三代目 j soul brothersも全くわからないので小林直己と言う人も知らず、日本が舞台という箇所よりもまず監督が『アリスのままで』のウォッシュ・ウエストモアランドであるところに興味を持っていた。
 『アリスのままで』は個人的にすごく好きな映画。残念ながらNetflixからは消えてしまいましたが機会があれば是非ご覧になってください。若年性アルツハイマーの女性とその家族を描いた作品です。
 過去に記事も書いております。

 さて、そんな『アースクエイクバード』ですが、まず観始めて感じたのが小林直己の存在感。
 妖艶な雰囲気が漂うアジアのイケメン代表として充分ハリウッドで渡り歩けるオーラを纏っている小林直己に度肝を抜かれた。
 作品全体を見るとサスペンス、ミステリーとしては弱い。しかし観終えたあとにフツフツと湧いてくる日本人としての感情。タイトルである『アースクエイクバード』の意味。日本在住経験のある原作者、スザンナジョーンズからのメッセージを深く感じた。

※終盤ネタバレ有ります。


リリーのすべて」「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のアリシア・ビカンダーが主演、1980年代の日本を舞台に描いたNetflixオリジナル映画。原作は、日本在住経験のあるイギリス人作家スザンナ・ジョーンズの同名小説。日本人の写真家と恋に落ちた外国人女性が、三角関係に悩まされ、行方不明の末に殺された友人の殺人容疑をかけられてしまう様子を描いたサスペンスミステリー。ある時、日本で暮らしていた外国人女性リリーが行方不明になり、やがて死体となって発見される。友人であるルーシーに容疑がかけられるが、2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン、禎司の存在があった。主人公ルーシー役をビカンダー、友人リリー役に「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオ、鍵を握る日本人カメラマンの禎司役に「EXILE」「三代目 J Soul Brothers」の小林直己。監督は「アリスのままで」のウォッシュ・ウエストモアランド、製作総指揮にリドリー・スコット。(以上、映画.comより)

↓予告はこちら

80点

 そもそもこのタイトル『アースクエイクバード』とはなんなのかというと、劇中小林直己演じる禎司の言った地震が起きた後に聞こえる鳥の囀りのような音の事であろうことがわかる。
 それを聞かされたところでこちらとしてはただ「へぇ…」としか感じないが当然それは後に大きな意味を持ってくることになる。
 それは地震大国日本に住んでいる人、そして被災した当人やその周りの人々。中心に近い人ほど鳥の囀りは響き続けるだろう。

 サスペンス、ミステリー要素を期待して観てしまうがそういった部分にはとても褒められるような驚きは待っていない。予想出来る範囲内に収まってしまっている。
 そこの部分での見所といえば、三角関係に悩み、メンヘラ化してしまう主人公ルーシーの行動。
 ルーシーと行動をともにするキラキラしたリリーとの対比により、「人種による性格の違いという概念」は無い、といったメッセージも受け取れる。
 もちろん、「日本人らしさ」「アメリカ人らしさ」といった概念はあるが、それは日本人でもアメリカ人らしい人もいれば、アメリカ人でも日本人らしい人もいる、ということ。
 冒頭からルーシーは若干あざとさを感じるくらいの人種差別的な言葉を受けたり、それに対する言葉を返していたりする。

 そんな主人公ルーシーを演じるアリシア・ビカンダーであるが、彼女の日本語を聞いていると相当頑張って覚えたんだな、ということがわかる。
 中でも3分間の長回し、全て日本語というシーンがある。
 彼女自身、妥協せずにやりきったあと嬉しくて走り回ったみたいなインタビューの記事を読んだ。
 確かにそこは凄い。
 彼女の日本語はとても評判が良い、しかし日本語と英語を交互に話されると正直そこはどっちかで通した方がいいのでは、とも思ってしまった。
 日本語が上手といってもアクセントはやはり即席感を感じるし、現場で頑張っている様子を見ると上手上手!とか言ってしまいがちなのもわかるのだが、流暢な英語のあとにカタコトの日本語が来ると正直少々ヘナってなってしまう。
 
 ルーシーの友人、リリーを演じるのはライリー・キーオ。
 ルーシーとは違い、日本語を全く話せないどころか話す気も無いキラキラした女性。そんなリリーに対するルーシーの対応にもルーシーの日本人らしさが現れていたりする。
 後半リリーという人物の詳細をルーシーは知るが、その時のルーシーは「決め付け」で人を見ていたことを知る。冒頭の警察と同じように。

 そんなルーシーとリリーは小林直己演じる禎司と三角関係になっていくのだが、この禎司の存在感が異様に際立っていた。凄く怪しい、ずっと怪しい。
 クラブで踊るシーンは記憶に焼きつくほど印象的で、妖艶さも絶頂に達していた。
 監督がオーディションで小林直己を見たとき、禎司は彼だと直感したらしい。
 見事にハマっていた。
 
 物語の主軸はリリー殺害事件における真相が明かされていくところにあり、徐々に各人物の詳細も明かされていく。
 
 『アースクエイクバード
 揺れの後に残る鳥の囀りが、心の中にずっと響いている者へのメッセージがラストに込められているように感じた。
 『アリスのままで』と似た余韻、不安を1割残したまま、この環境なら大丈夫、と送り出すような終わり方。
 モヤっとする人にはモヤっとするであろう終わり方ですが自分は好きです。


____ここからネタバレ____


 日本在住経験のある原作者のスザンヌ・ジョーンズがこれを執筆した時期を考えると阪神淡路大震災があった日本を見ていたのは確からしい。
 地震大国である日本には震災は付き物であり、親戚が震災で亡くなったという人も少なくないでしょう。
 身近にいたのにもかかわらず助けられなかったことを嘆く人も多数いて、それぞれが罪悪感を感じたまま暮らしている、といった人がスザンヌ・ジョーンズの周りにいたのかもしれない。
 そんな人たちに向けたメッセージ
「大丈夫、あなたは悪くない」
 最後、ルーシーが女将さんの手を握るシーンにそのメッセージを感じた。

 あそこで手を取り合うことにより、ルーシーは幼い頃から持っていたトラウマや罪悪感に対する「赦し」を与えられた、そんな最後だと自分は感じました。
 そんな簡単にトラウマは消えないだろうけど、あそこで手を取り合うことにより、一人じゃない、同じ哀しみを背負っている人がいる。その人たちと手を取り合い、助け合って生きていくことで、徐々にでもお互いのトラウマを解消していけるのではないか、といった希望を残すラスト。
 真の本筋はそこにあった。ルーシーのトラウマとの戦い。
 『アースクエイクバード
 大きな揺れのあとに響き続ける鳥の囀り。手を取り合い、いつかそれが聞こえなくなるまで…



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