毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

中国アニメの本気らしい『紅き大魚の伝説』をNetflixで観た。ポニョを観て感じたイケ好かない感情に襲われ不安になるが、ポニョ的サイコパス展開をさせない作りに安心した。(後半ネタバレ)

紅き大魚の伝説

 勢いをつけてきている中国アニメが満を持して出してきた大作アニメ映画『紅き大魚の伝説』
 自分的にイケ好かない部分のあったジブリ映画『崖の上のポニョ』を彷彿させる展開に不安になるが、ポニョが出来ていなかった部分をしっかり押さえてあり、ポニョの粗を再認識させる映画だった。

不思議な別世界に住む少女は赤いイルカに姿を変え、人間界をさまよう。そこでの男の子との出会いが、運命を決する旅路に少女を駆り立てる。(以上、Netflixより)

予告編↓

72点

 中国アニメが何やらすごく勢いがあり、5年、10年後には日本を追い抜く!といった記事を読んだことがあります。今回紹介する『紅き大魚の伝説』はそれを示す大作映画として、「中国アニメの本気!」なんつって仰々しく宣伝されていたりするので期待して観てみました。
 元々アニメ映画は好きで、そこそこ観てきている私としてはそこまでいうほどでもなかったというのが正直なところ。
 そもそも何を基準に追い抜くのかって話ですけど、技術的にはまだまだ日本のアニメの方がクオリティが高いと思いました。カメラワークの部分だったりCG感のある画には独特な味を感じましたけれども。
 ただ、昨今の商業的な日本映画界が繰り出してくる商業的に振ったアニメ映画には若干辟易する部分があるのも事実で、「売れる要素をどう入れるか」といった余計な部分が入っていない。作り手が作りたい物を作りたいままに作る、至極真っ当な作り方をしている『紅き大魚の伝説』にはリスペクトを送りたいところです。

 主人公「チュン」のナレーションで始まる物語。
 人間でも神でもない、自然の摂理を司る者。その者たちが住む世界が人間界の海底の先にある。
 成年になり、成年式を行う者は自然の摂理が上手く機能しているかを観察しに人間界に七日間送られる。
 チュンが送られた先にはイルカ漁をする人間が嫌な感じで描かれる。日本人としてそこで「おやおや?」と思ってしまう人もいると思いますがそこはまぁ、映画なんでまあまあ、お気になさらずに。なんつって。
 人間と接触してはいけないという決まりだが、イケてるお兄さんと出会ってしまい、チュンは一つの大きな罪を犯してしまうわけです。その罪に対して自然の摂理に反した行動を起こし、また罪を重ねるチュン。そのチュンの行動によって事態は悪い方向に向かっていく。
 

-ここからネタバレ-

 クンという名を付けたイルカを大きくなるまで守りきるという契約を交わし、チュンはクンを育て始めるのだが、クンの存在が災いの元となり、天災が襲ってくる。
 周りを犠牲にしてでもクンを人間界に戻すために奮闘する。その様はまるで崖の上のポニョ、殺戮マシーンポニョを彷彿とさせる。自分の望みのために多くの人間、家畜の命を奪い、何の罰も与えられずに望みを叶えるポニョ。そして頭空っぽな宗介。
 罪を犯した者が裁かれずに終わるモヤモヤ感。これは嫌なもんですよ、なんつって思ってたらこちら紅き大魚さんはしっかり罰を用意しているんですね。
 宗介みたいに思考停止状態にないチュン。きちんと気付くんですね、自分の罪に。感心してしまいます、普通そうするよなってことでもポニョの件があることで感心してしまうんです。
 子供を乗せて荒い運転をするような親も出てこない、危険な状況で子供を避難させることなく嵐の中必死に帰ってすることがインスタントラーメンを食べる、といったようなどうしょうもないシーンを入れない。
 
 自分のせいで天災に襲われて大変な状況になっている場にチュンが戻ると邪険にされる展開。そしてチュンが起こす二度目の自己犠牲。自らが大木と一体化し、皆を助ける。
 
 私としてはそこで終わって欲しかった、『風の谷のナウシカ』でも感じた「そこで終わって欲しかった感」
 王蟲の群れに弾かれて死ぬ、宮崎駿が考えていたラスト。
 大木と化したチュンのところにクンが戻ってきてしまう。戻ってくんなと、そのまま人間界に戻って折った枝になってた実の種かなんか植えて妹と一緒に育てて終われええええとか思っちゃいました。
 チウの犠牲によって今がある、罪を抱いたままずっと生きていると察せられるのも良いんですけれども。

 ただ、難点を言えば、一番重要なチュンとチュンを助けて死んだお兄さんの親密度が薄いという点。人間界では単純に網に引っかかったチュンを助けただけの接点。もっとタブーを犯しての触れ合いの場面があれば、だったりチュンの方の世界ではせいぜい一緒に踊ったり、追っ手から逃げての引っ越し作業くらい。親密度があるからこその「生き返らせたい感」に繋がるわけで。自分のせいで死なせた責任感からだったら一緒に人間界に行く必要性もなくなるのでやはり「親密度」はもっと描いた方が良かったかなと。別れの場面での感動も増しますし。
 あとはジブリを見慣れていると薄く感じてしまう人外のキャラ。スタジオポノックの『メアリと魔女の花』を観た時にも感じたんですけどなんなんでしょうあの真似できない独特なジブリの人外キャラの魅力。

 ということで、『紅き大魚の伝説』中国アニメの次作に期待してしまうくらいには楽しめました。イルカも可愛いし、ゴマちゃん的な可愛さを感じる部分もありました。アニメが好きな人は是非、中国アニメの本気を感じてみてください。

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