Netflixで観たR指定CGアニメ映画『ソーセージパーティ』はバカ映画風の深イイバカ映画と思わせておいてバカ映画で着地するアクロバティックなバカ映画だった。
ソーセージパーティ
もうこのポスターが全てを表している気がする…
数あるバカ映画の定義のうち、『悪趣味的感性をもとに確信犯的に撮られた映画』という定義に位置付けられるであろう作品が今回紹介するCGアニメ映画、『ソーセージパーティ』。
キャストがセスローゲン一味であることからその内容も想像できるであろう、下ネタ全開ド下品な映画になっております故、視聴環境には充分気をつけて鑑賞していただきたい。
スーパーマーケットに陳列された食材たちが人間たちに反逆する様を描いた、R指定の大人向けコメディアニメ。「スモーキング・ハイ」「ネイバーズ」のセス・ローゲンが製作や脚本、声の出演を手がけた。
郊外のスーパーマーケットで、お客に選ばれ、買われることを夢見て毎日陳列されている食材たち。ソーセージのフランクは、恋人であるパンのブレンダと結ばれ、ホットドッグになる運命が待っていると信じていた。
2人揃ってカートに入れられ、ついに夢が叶う時が来たと喜ぶ2人だったが、カートにアクシデントが発生し、スーパーマーケットに取り残されてしまう。
絶望する2人だったが、食材としていずれ人間たちに食べられてしまう運命にあったことを知り、アクシデントのおかげで命拾いしていたことに気付いたフランクとブレンダ。
やがて食材たちは、人間への反撃を始める。
監督は「マダガスカル3」のコンラッド・バーノン、「劇場版きかんしゃトーマス」シリーズのグレッグ・ティアナン。ローゲンのほか、クリステン・ウィグ、ジョナ・ヒル、エドワード・ノートンらが声の出演を担当。(以上、映画.comより)
予告編(吹替版)↓
86点
スーパーマーケットに売られている商品が、自我を持って動き出す。というようなトイストーリーを連想させるような設定。トイストーリーでは動いているところを人間に見つからないように行動することで緊張感が増すが、ソーセージパーティでは店内を人間がカートを押している中、堂々と歌い、踊り、めっちゃ喋るし動き回る。にも関わらず人間は商品の自我を持った動きに気付いていない。
どういう世界観なんだよと雑さを感じつつ安易な下ネタを羅列していく序盤からの展開に正直『ハズレ感』を抱いてしょうがなかった。ユーモアもクソも感じない高校球児かよってレベルの低俗な下ネタ連呼が続くわけです。「こういうのすきやろ?」的に。
ここでこういうのがダメな人は脱落してしまいがちですが、中盤に差し掛かる頃から一気に面白くなります。しかもその面白さが加速していく一方、最後には全ての不満要素が覆され、納得してしまうほどにヤラれる。
これは下ネタが抑えられるということではない、寧ろ最強のド下ネタが終盤やってくる。ソーセージパーティってそれかよ!
ブラックユーモアが乗っていくといった方が正しい表現かもしれない、やはり下ネタにはユーモアが無いと低俗感が増してしまう。
低俗なおっさんが低俗なおっさん相手に低俗な下ネタで笑いを取っている光景とか生きていると一度は見たことがあるだろう。なんとも居た堪れない気持ちになる。
トイストーリー的な匂いの感じる部分もあり、名シーンのオマージュをサクッと入れて来たりと、そのさりげないオマージュの入れ方にセンスを感じました。
その他にもまた違う映画をパロってるだろ的なシーンがあったり。雑なようで実は凝っているなぁなんて思ったり。
店内で売られている食材がカートに入れられ、喜び、行き着く先での『食材としての現実』の描写もとにかく面白い。ガムの造形やパンの造形などにもセンスを感じました。
人を選ぶ映画ではあるかと思いますが、私は結局中盤からずっと楽しかったです。最後の流れが一番楽しかった。下ネタが大丈夫な人にはオススメです!文句は受け付けません!