毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

『つぐない』をNetflixで観た。マイベスト胸糞映画ランキングの上位に食い込むであろう高胸糞度を誇る最糞の胸糞映画。無垢な少女の嘘によって人生を狂わされた一組のカップルの運命を描く。こういう映画大好き。(後半ネタバレ)

つぐない

 私は胸糞映画が好きだ。観終わった後に「オイコノヤロー」となるモヤモヤが残る映画。『ダンサーインザダーク』なんか二度と観たくないと思いながら三度くらい観ちゃっています。『鑑定士と顔のない依頼人』もなんだかんだ二回観ています。まぁこれは知っている上で観る面白さがあるので二度と観たくないとは思わなかったですけど。ダンサーインザダークなんて二回観たら二回傷付く映画なのでどんだけマゾってんだって話。
 その他にも『この森で天使はバスを降りた』なんて映画も良作なのでチャンスがあれば是非観てみてください。昔ネットフリックスにリクエストを送りまくっていたのですが一向に来る気配が無い。
 そこら辺が私的胸糞映画ランキングの上位を占めているのですが、そこに食い込んでくるほど強烈な胸糞を味わったのが今回紹介する映画『つぐない』である。
 記事の後半、ネタバレコーナーにてこの映画を観て感じた怒りをぶちまけたいと思います。

1935年イギリス。ある夏の日、タリス家の末娘ブライオニーは、姉セシーリアと使用人の息子ロビー・ターナーの些細ないさかいを目撃し……。ひとりの無垢な少女の嘘によって人生を狂わされてしまった一組のカップルの運命を描く、現代英国文学界を代表するイアン・マキューアンによる傑作小説「贖罪」(新潮社刊)を、「プライドと偏見」のジョー・ライト監督&キーラ・ナイトレイ主演で映画化。共演にジェームズ・マカボイ、ロモーラ・ガライ、バネッサ・レッドグレイブら。(以上、映画.comより)


予告編↓

90点

 私的胸糞映画ランキングですが、これは胸糞度だけが判断基準ではなく、その映画がちゃんと面白いかも重要なところ。なのでミストなんかは入ってきません。私が大好きな『パンズラビリンス』なんかも胸糞映画と言われていますが、私的にはバッドエンドではないという解釈なのでこれも入ってきません。
 「面白さ+胸糞度」
 これが伴って始めて上位に食い込んでくる。今回紹介する映画『つぐない』はしっかりこの二つの要素を満たしていました。


 立派なお屋敷に住む少女、ブライオニーと、姉のセシーリア。セシーリアは仕様人の息子、ロビーと恋仲であった。
 13歳という多感な時期のブライオニーは「いけない事」に対する嫌悪感からか、一つの嘘をついてしまう。その嘘がきっかけで二人は離れ離れになってしまうというお話。

 このブライオニーを演じているシアーシャローナンという人、『ラブリーボーン』の子ですね、この子がまた良いんです。綺麗で可愛い、キレカワ系。そしてすごいナチュラルに嘘つきそう!嘘ついてからはもう、憎たらしく見えてしょうがないという。
 そんなブライオニーが大人になり、罪に気付き、償おうとするもどう償えばいいのかと悩む姿が描かれる。離れ離れになったロビーはそのまま兵士となり、第二次世界大戦へ。
 ロビーは戦場を生き抜き、セシーリアと再会出来るのか。ブライオニーはどのように償いを行うのか、そして彼女に二人は赦しを与えるのだろうか。

 罪に気付いて反省した部分を描かず、いきなり子供から大人にシーンが変わってしまったところが残念に思ったりもしましたが、ラストまで観ると納得してしまう。
 戦争のシーンだったりが案外長くて退屈な部分はあるものの、私はラストの衝撃にやられました。

 「こいつ…」


-ここからネタバレ-



 ブライオニーはセシーリアに詫びる決意をして会いに行く、なんとそこにはロビーが。無事に戻り、二人は再開、幸せに暮らしていました。
 ブライオニーはロビーに許されず、二度とくるなと追い出されてしまいました。ちゃんちゃん。

 ここまで観ていた映画は、作家ブライオニーの21作目。歳をとったブライオニー自身が書いた自伝でした。
 テレビ番組にて全てを告白するブライオニー。ここに書いてあることはほぼ真実だが、最後だけ変えてあると。それこそが償いであると。
 実際はセシーリアに詫びる勇気が出ず、会いに行かないまま彼女は空襲で死んでしまった。ロビーも戦死。小説の中では二人に幸せを与えたと。それでも最後まで私は許されることはなかった。かわいそうな私、ブライオニー。

 むむむ…

 自分が病気で死ぬのがわかってから告白するブライオニー。
 
 むむむむむ…

 全く償えていない…二人もう死んでんじゃん…冤罪を食らわせられたまま死んでんじゃねえかロビー…
 いくらでも真実を話せる時間あっただろうに、自分が責められるのが嫌だからずっと胸に溜め込んできたものをこのまま死ぬのが気持ち悪いから吐き出しちゃえって感じだろこいつ…!
 最後の最後まで何も変わっちゃいない、ずっとガキのまま。たとえ二人が生きていても怖がって誰にも言わんかっただろどうせ。
 最後だけ創作とか言ってるけど何も信用出来ない、今までこっちが見せられてきた真実部分もどうせどこか脚色しているんだろ!
 強姦魔の犯人を確信したのは大人になってからという演出も脚色だろ!
 罪に気付いたところをすっ飛ばしているのも結局見て見ぬ振り、そこを思い出すと辛くなるからすっ飛ばしたんだろ!
 その代わりに「反省している私」をそれっぽく演出しているのも創作だろ!
 創作部分のロビーが自分を責める時に使うきつい言葉もあざとい!
  キーラナイトレイ主演なのになにてめえが主演みたいにしてっちゃられら!?(噛

 最低だ、最低だブライオニー。閻魔様がいるのなら地獄に堕とされるべき。自分への同情を誘う創作自伝に騙されて感動している人たちが不憫に思えてくる!

 久しぶりにド級の胸糞映画に出会えました。ありがとうNetflix。私は一生忘れないでしょうこの映画を。
 

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