{私的解説}映画『すべての終わり』(Netflixオリジナル)を「ちょっと納得」まで持っていく個人的こじつけ解説(後半ネタバレ)
Netflixオリジナル映画にあまり良い印象が無いのでオリジナル物は敬遠してしまうのだが、ネット内某所での叩かれ様を見ている内に興味が湧いたので見てみました。
確かに思わず笑ってしまうほどの終わり方に酷評されるのもしょうがないなと思ったのだが、その感想をそのままここに書いても面白くないなと、そこに隠されているなんらかのメッセージを見つけ出すか創造する方が面白いと思い、考察した結果、一つのメインテーマを発見しました。ここに発表致します。異論は認めます。
原因不明の大異変が発生。米国全土が戦場と化す中、行方不明になった妊娠中の婚約者を捜すため、若き弁護士が危険を承知で、未来の義父とともに西海岸へ向かう。(以上、Netflixより)
72点(考察後)
主人公のウィルは恋人サムとの婚約の許可を得るために彼女の父親、トムと会うのだが、元海兵隊のトムにとってウィルは頼りなく見えるようで、あまり良くは思っていなかった。
この二人が一緒に旅に出る事になるのだが、そこでウィルの頼りなく見える部分も演出されていて、(銃の扱いとか)なんだ、酷評されている割に中々丁寧じゃないかと思いつつ、ひょっとして人を選ぶ映画なだけで自分にはヒットするパターンかと淡い期待を抱いていました。
その理由として、この作品が酷評されている様子を見て頭に浮かんだ、一人一人消えていくという不思議な現象の中でサバイブする若者たちを描いた『ザ エンド』という映画がある。
タイトルだけである意味インパクトがありますが、その設定に興味を引かれ、目に入ってきた評判はそら酷いもので、今回と同じように逆にもっと見たくなり、鑑賞した結果、自分は結構好きだったという経験がありまして。
なるほどこの堅物なトムがいずれウィルを認めるまでのドラマも良い感じに仕上げてくるのかな、なんつって見ていたのですが、そこまでいくまでに必要なお互いの信頼感の演出が薄かったかななんて印象。
途中出てくるリッキーという女性を使って撮った一瞬和むシーンなんかもちょっとあざとさを感じましたね。
あと、「ちょ、その前にとりあえず状況説明を求めてっ」的なシーンもあったり、そういう終わり良ければ無視出来る小さな不満が少々募りつつ迎えるラストですよ。劇場だったら「えっ」て声が聞こえてきそうな、なんなら「えええええええ」まで聞こえてきそうなラスト。映像は素晴らしかったです。
では、投げっぱなされた人へ、ネタバレこじつけ解説開始です。こじつけというか、私が想像、創造したメインテーマを知れば投げっぱなされた人も少しは掬われるのではないかと。
北朝鮮が!?中国が!?原爆!?空気が関係!?宇宙衛星が!?なんつって煽った挙句、最後が火山噴火というオチなわけですが、その肩透かし感、それこそがメインテーマに繋がるわけです。その火山噴火含め、起こった災害の理由を求めていた視聴者をも巻き込むメインテーマ。
サムを助けてくれた隣人、彼が言っていた陰謀論の中に『意図的に理性を失わせる』というのが出てきます。彼の論の中で唯一『惜しい』箇所。誰の意図なのか、というか、誰の影響でそうなってしまうのかというと、陰謀論者の吐く陰謀論なわけです。
そう、メインテーマは『情報に振り回される愚かな人たち』なわけです。
自然災害によって電波が止まり、通信は無線と短波、そこに色々な陰謀論が流れ、パニックを起こした住人がガソリン集めの紛争を起こす。
行動の早い政府は何事かと瞬時にF22を飛ばす。窓から見えるほど至近距離を飛ぶ戦闘機を見て只事ではないとトムは車を走らす。
人として常識的な行動を起こそうとしたリッキーはこの作品上から退場し、最後まで戻ってくることが無かった。
サムを助けてくれた陰謀論者の言う『戦争ゲームのシミュレーション』というワードは陰謀論の馬鹿馬鹿しさを表すワードなのではないだろうか。
その陰謀論者に撃たれそうになったところを撃ち返して死なす唐突な描写は作者のなんらかのメッセージなのではなかろうか。
実際にそこで起こった出来事は火山噴火と地震による津波。それらによって起こる電波障害や、噴石による被害もあったかもしれない。しかし、その地域に住む者は「北朝鮮が!?中国が!?原爆!?空気が関係!?宇宙衛星が!?」等、情報が入り乱れ、混乱状態に陥っていた、というお話なのかと。どうでしょう、私はこうして自分を納得させました。では。
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