毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

『七小福』をNetflixで観た。サモ、ジャッキー、ユンピョウが育った北京戯学院のお話。厳しい中にも愛がある先生を中心に、サモ、ジャッキー、ユンピョウの子供時代、青春時代も描かれるファン必見の傑作。

七小福

 香港アクション映画界のビッグ3といえばジャッキーチェン、ユンピョウ、そしてサモハンキンポーである。もちろんブルースリー、リーリンチェイ、ドニーイェンなども好きだが、世代的にドンピシャなのが北京戯学院出身のこの三人。お互いを兄弟と呼ぶサモ、ジャッキー、ユンピョウ。
 そのジャッキーとサモ、時々ユンピョウの学院生活と、サモハンキンポーが演じる恩師、ユー先生を描いた作品が『七小福』である。
 サモ役、ジャッキー役の人がすごく似ている。昔のジャッキーの顔。


60年代、京劇の伝統を伝える北京戯学院に集められた子供たちが、学院長の厳格な教育のもとで“七小福”の名をいただく存在に成長していく姿を描く。監督は「誰かがあなたを愛してる」のアレックス・ロウ、製作はレナード・ホウとモナ・フォン、エグゼクティヴ・プロデューサーはメイベル・チャン、脚本はアレックス・ロウとメイベル・チャン、撮影はデイヴィッド・チャン、音楽はローウェル・ローが担当。(以上、映画.comより)


予告編↓

86点
 
 ジャッキーチェンの自伝によると、実際はもっともっと厳しかっただろう学院生活。そうだろうなと思わせるくらいこの映画の中のユー先生には愛が溢れていた。
 指導の仕方もまさに教育の理想といった「本人の反省を伴った罰」を与えるにとどまっている。おそらくエンタメ映画に仕上げるために行った脚色であると同時に、当時指導を受けていたサモ自身、大人になってから振り返ることによって表現が柔らかくなったというのもあるかもしれない。
 食住を与え、京劇を教え、興行を行う。その厳しい訓練模様も特に深く描かれない、立派に舞台をこなす子供達を見せてここまでの厳しい訓練を想像させる。
 無邪気な子供時代、そして青年へと成長したジャッキーの恋なんかも描かれる。その恋の始まり、出会いの部分なんかそらときめくだろーといった舞台構成、演出。
 実際の場では倍以上のときめきシーケンスが起こっていただろうことを想像させる。
 女子もまた可愛い、良い感じに可愛い。絶対いい匂いが拡がっている空間。同時にユー先生にも青春が訪れたりして可愛い。

 そんな青春を描いたと思ったらサモとジャッキーの兄弟愛もしっかり描き、京劇の人気低迷、そこで起こすユー先生の行動と結末。観終えた後、熱いものが込み上げてくる。

 この映画、キャストがとにかく良い。よくこんな似てるのを見つけてきたなと思ったのは『ストレイトアウタコンプトン』を観た以来です。
 三ヶ月を費やしたキャスティング、ジャッキー役は台湾の雑技団で見つけ、サモ役は道で偶然見つけたらしいです。しかも政府のパイロットだったらしく、一ヶ月頼み込んで名前を変えるという条件で出演が決まったとのこと。
 大人のサモとサモ役のサモが並ぶとなんか笑えてくるくらい似てます。
 あと、明らかに「ロン」と呼んでいるのに字幕では「デカ鼻」と出されるジャッキーがちょっと面白かったです。

 ジャッキー自身この作品に対してフィクションが多いと言って関心は無かったようです。
 実際のユンピョウはジャッキーに付いて回っていたらしく、時が経ち、仲違いしたサモとジャッキーを仲直りさせたのがそのユンピョウだったりと、今もなお兄弟らしいストーリーが続いているのが良いですね。

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京劇の世界 (見て読む中国)

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