毎日Netflix

毎日Netflix

主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

Netflixオリジナル『最後の追跡』を観た。2人の銀行強盗を追う2人のテキサスレンジャー。4人のカウボーイによる馬を車に代えての現代西部劇が繰り広げられる傑作でした。脚本は『ボーダーライン』のテイラーシェリダン。

最後の追跡

 存在は知っていたが詳しくは知らずにスルーしていた『最後の追跡
 脚本が『ボーダーライン』のテイラーシェリダンと最近知って早速観てみました。
 しっかり『アメリカ』を描きつつ、現代を純粋な西部劇に落とし込んだ質の高い作品だった。

家族の土地を守るため銀行強盗を繰り返す兄弟と、彼らを追う年老いたテキサス・レンジャーを描いたクライムドラマ。不況にあえぐテキサスの田舎町。タナーとトビーのハワード兄弟は、亡き両親が遺した牧場を差し押さえから守るため、連続銀行強盗に手を染める。慎重派のハワードが練った完璧な計画のおかげで兄弟は次々と襲撃を成功させていくが、刑務所から出所したばかりのタナーの無謀な行動のせいで次第に追い詰められていく。一方、定年を目前にしたテキサス・レンジャーのマーカスは、相棒のアルバートとともに事件の捜査に乗り出すが……。兄弟役を「インフェルノ」のベン・フォスターと「スター・トレック」シリーズのクリス・パイン、テキサス・レンジャーのマーカス役を「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスがそれぞれ演じた。「ボーダーライン」のテイラー・シェリダンが脚本を手がけ、「名もなき塀の中の王」のデビッド・マッケンジーがメガホンをとった。(以上、映画.comより)

予告編↓

87点

 この作品は西部劇である。カウボーイが車に乗っているが見事に西部劇の空気感を貫いている。
 強盗を繰り返す兄弟、それを追う2人のテキサスレンジャー。2組のバディを中心にアメリカの闇を映し出す。

 インディアンの血を引く相棒を茶化し、悪態を突き合いながらも共存するテキサスレンジャーに現代的な人種間の付き合い方が現れている。
 西部開拓時代、白人に土地を奪われたインディアン。今度は白人の土地を銀行が奪いに来る。
 牧場を担保に金を貸す銀行。母が病に倒れ、看病で牛の面倒が見られず返す金が尽きた頃、刑務所から帰ってきた兄と銀行に渡す金を銀行から奪うという計画を立てる。

 弟の立てた計画に乗るやんちゃな兄。兄の計画外のやんちゃな行動に弟は腹を立てるが兄は動じず、いつもの関係が保たれる。ここら辺の兄弟感を描写する演出が正に匠。弟を思う兄、兄を思う弟。あざとく描くわけでもなく、さらりと描いて濃く伝わる味。塩で食べる天ぷらのように乙な演出。
 
 冒頭、銀行への「イラクに3回も行ったのに支給がない」という落書きや「借金返済できます!」といった看板を映す演出でサクッと『銀行』を描いていたりと、巧みな演出が光る。
 地下資源を望める土地を銀行は奪おう奪おうとしているわけです。白人がインディアンの土地を奪っていった西部開拓時代を思い起こさせます。

 脚本を書いたシェリダン自身テキサス出身の人らしく、西部劇が身に染みているのでしょう。西部劇を見慣れていない人やカウボーイの歴史を知らない人には退屈な印象が残ってしまうかもしれません。

 銀行強盗を続ける2人が都会を走るシーンと対比させるような荒野を走るレンジャーの美しいシーン。随所に見られる兄弟愛。なんといっても役者が全員良いという。

 原題は『hell or high water』
 「どんな困難にも負けず、何かをしようとする」といった意味らしい。「high water」は石油にもかけられているのかな、どうなんでしょう。

 テイラーシェリダンが好きな人は勿論、西部劇が好きな人は是非。観て損は無い出来となっております。