『マリッジストーリー』(Netflixオリジナル映画)を観た。名作！殿堂入り！アダムドライバーがめちゃくちゃ良い！

マリッジストーリー

　仲間内で昔別れた二人が今も一緒に遊んでいて、側から見るとなんで別れたんだろうといった関係の人っているじゃないですか。
　仲が悪いわけでもなく、普通に接しているけど元サヤには絶対戻らない。
　二人にしかわからないズレ感。
　今回紹介する映画『マリッジストーリー』でもそんな描写が描かれる。
　お互い求める物が違う、価値観が違う。
　それでもたまに会うといつも一緒にいるようなやり取りが行われる。
　距離を置いた状態が一番良い関係でいられる。
　愛が冷めたわけではない、寧ろ愛は確実に存在するが故の悔しさが二人を襲うのだ。
『イカとクジラ』のノアバームバック監督が自身の体験を元に撮ったのであろうこの映画。
　スカーレットヨハンソンも勿論良いのだが、アダムドライバーがとにかく良い。
　スターウォーズ7からのカイロレンを演じる彼がこのマリッジストーリーでも見せる感情の爆発シーンは必見。

「イカとクジラ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎えて描いたNetflixオリジナル映画。女優のニコールと夫で舞台演出家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。ニコール役をヨハンソン、チャーリー役をドライバーが演じるほか、ローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタらベテラン実力派俳優が共演。(以上、映画.comより)
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96点
　ノアバームバック監督作、『イカとクジラ』は自身の両親の離婚、『マリッジストーリー』は自身の離婚の話を元にしているらしい。
　どちらも離婚を描いた物だ。
　うちの両親も自分が小学四年生の頃に離婚していて、当時の記憶もしっかり残っている。
　うちの場合は母が父を完全に嫌っている状態だったので、家に父が来てもすごく素っ気ない態度で接していたのを覚えている。
　今思えばあの「たまに来る父」というのはそういう約束があってたまに来てどこかへと連れていってくれていたのだろう。
　母親の顔色を伺いつつ自分も父に素っ気なく接してしまったことがあり、思い出すと切なくなる。
　この『マリッジストーリー』でも子供を間に挟んでの離婚裁判が繰り広げられるのだが、やはりどこか心の片隅に淋しさが残っている二人。
　裁判を弁護士に任せるのだが、弁護士はもう戦争に勝つことだけを考えているような前のめり感。
　ほぼオートマチックに離婚成立へと進んでいく。
　夫であるチャーリーに対しての攻撃材料をストックするために弁護士は妻ニコールに鬱憤を吐き出させる。
　嫌なところを上げさせるとどんどん出てくる。エスカレートして気付いたら涙を流している。
　チャーリーもニコールに対して怒りの感情を噴き出してしまい、怒りながら泣き、謝罪するという三連コンボの絶妙なシーンがある。
　嫌なところを上げるといくつも出てくるが、良いところを上げさせても出てくる。それが冒頭のお互いの良いところを上げるシーンなわけだが、それがまた後々染みる構成になっていて、もう心がヤラれます。
　愛が冷めている、わけではない。そこに愛はまだあるからこその悔しさが含まれる苛立ち。
　恋は求めるもの、愛は与えるものと言いますがお互いの愛が足りなかったのか、というよりはそれこそすれ違っていた。お互いの譲れない部分が違いすぎた。
　冒頭でお互いを負けず嫌いと言っているのが全てを物語っているのかもしれない。
　終盤からラストにかけて観ているのが辛くなるくらい心を鷲掴みにされ、涙が溢れ出てきた。
　最近観た映画で一番のヒットだった。アダムドライバーはオスカーを取ってもおかしくないくらいの名演でした。

　そういえばスターウォーズにも出ていましたね、カイロレン役。
　もう来週、一応完結編としてエピソード9。『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開されますが前作でぶっ壊されたスターウォーズ続三部作をどう完結させるのか。
　フォースの覚醒は大好きなのでJ・J・エイブラムスがどう巻き返してくれるのか期待したいところです。
　前作の評は記事にしております。

　これも愛があるからこそのdisです。あまり酷評はしたくないけどやはりスターウォーズには特別な思い入れがあるのでこうなってしまいます。
　あぁ、特別な思い入れがありすぎてスターウォーズの話になってしまっている…

　『マリッジストーリー』
　個人的には殿堂入りです。名作。心に来る映画が好きです。是非ご覧になってみてください。オススメです。