毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

Netflixで観た『マイマイ新子と千年の魔法』は昔のジブリの匂いがした。

マイマイ新子と千年の魔法

 「宮崎駿の後継者!」なんつって日本アニメ映画界を煽るメディアさんに違和感を覚える中、今回紹介する映画『マイマイ新子と千年の魔法』を観て感じたのは昔のジブリの匂いだった。
 片渕須直監督が宮崎駿さんの後継者とは1ミリも思わないですが、夏になると見返したくなる名作!

 芥川賞作家・高樹のぶ子が自らが幼少時代を描いた自伝的小説を映画化。監督は「魔女の宅急便」(89)などで演出補を務めた片渕須直
 昭和30年代、大自然に囲まれた山口県防府市にある旧家。おでこにマイマイ(つむじ)がある小学3年生の新子は、祖父から聞かされた千年前の町の姿やそこに生きた人々のことを空想することが趣味だった。ある日、なかなか田舎に馴染めない東京からの転校生・貴伊子と出会った新子は、次第に貴伊子と遊ぶようになり、心を通わせていく。(以上、映画.comより)

予告編↓

90点

 綺麗な田舎の描写の中で活発な子が遊ぶ光景がずっと続くのだが、微笑ましい、面白いエピソードが続くので全く飽きずに見ていられる。

 貴伊子という引っ込み思案の子が東京からやってくるのだが、やはりクラスに馴染めない。
 小学生の頃、転校した経験のある私としては、あの『初日の独特な疎外感』を味わったことがあるので貴伊子に感情移入してしまう。
 だからこそ、新子の旺盛な好奇心でもって急速に仲が良くなる光景を見ると、新子がいて本当に良かったなあと、この二人が仲良くしているところを見るだけで顔がほころんでしまう。
 色鉛筆一つで人気者になれるイカした社会ならそのうち溶け込んで友達も出来るだろうとは思うが、この新子というキャラクターがまた良すぎる。すずさんといい新子といい、こんな魅力的なキャラクターを描くセンスに脱帽です。
 最初は違和感を感じる声だが、5分もしないうちにすぐ違和感が無くなる。というかこの声以外考えられなくなる。これは『この世界の片隅に』でも感じたことだ。本当に声のキャスティングも良い片渕組。
 
 対照的に描かれる一人ぼっちのお姫様、諾子。千年前の平安時代に舞台が移るのだが、これがなんとも見ていて可哀想になるほどのボッチ具合。一人二役で喋りながら遊ぶシーンには胸が締め付けられる。

 実写版ちびまる子ちゃんの初代まる子役の森迫永依さんがこの諾子を演じ、初代お姉ちゃん役の福田麻由子さんが新子を演じております。好きだったなあ初代まる子。

 冒頭で新子がおじいさんから聞いた直角に曲がる川の話から千年前を想像するのだけれど、同じようなことを今でもする自分としてはその楽しみ方に共感を覚えた。ブラタモリで自分の住む街が出てきた回は食い入るように見ていた。
 
 「また明日も遊ぼうね」なんつってすっかり貴伊子も新子の仲間に入りエンジョイする毎日、完全にトトロじゃねえかというようなオマージュも散りばめられる日常に大人が絡む問題がやってくるわけだ。一応そこが山場なのかもしれない。
 やってくる問題を子供ながらに乗り越えていく。なんか知らんけど感動している。
 最後には引っ込み思案だった貴伊子が新子みたいな活発な子になってるところもすごい良かった。

 『この世界の片隅に』の影響を受けて試しに見てみたこの映画がこんなに良かったなんて、追うもんですねぇ。追い続けます片渕須直監督。


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