毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

『運び屋』をNetflixで観た。イーストウッドのキャラクターが見事にハマり、重なり、終始面白かった。グラントリノ以来の監督兼主演。脚本にはこれまたグラントリノのニックシェンク。役者イーストウッドが観れる最後の作品かも!…グラントリノの時にも言ってた気がする。

運び屋

 多くの名作を生み出してきたクリントイーストウッド。89歳の彼はまだ映画を撮り続けている。
 前作『グラントリノ』を撮ったあとに実質俳優業引退表明をしていたのだが、割とすぐに自分に合った物ならやるかもしれないと発言。そして今作『運び屋』で監督兼主演再び。
 実際にあったことを元に作られた映画であり、アールという90歳の麻薬の運び屋を演じるイーストウッドだが、付け加えられた設定部分である家族との繋がり方にイーストウッド自身が重なるような脚本になっているように思えた。

巨匠クリント・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶりに銀幕復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。脚本は「グラン・トリノ」のニック・シェンクイーストウッドは「人生の特等席」以来6年ぶり、自身の監督作では「グラン・トリノ」以来10年ぶりに俳優として出演も果たした。共演は、アールを追い込んでいく麻薬捜査官役で「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーのほか、ローレンス・フィッシュバーンアンディ・ガルシアら実力派が集結。イーストウッドの実娘アリソン・イーストウッドも出演している。(以上、映画.comより)

↓予告はこちら

89点

 この映画は非常にシンプルな作りで見やすく、起承転結もしっかりしているので難しい映画は無理という人にもオススメ出来る作品。
 主人公のアールは90歳のおじいちゃん。このおじいちゃん、家族との縁が薄く、常に自分の都合で生きていくような人で奥さんや娘にも嫌われている状態。
 商売が上手く行かずに仕事を失ったあと、物を運ぶだけでお金が稼げるという話を持ちかけられ乗ってみるとそれは麻薬の運び屋だった、といった内容。
 このおじいちゃん、家族に嫌われようとも仕事が上手く行かなかったとしても大して動じることが無い。意地になることも無い、淡々と自分の人生を愉しんで生きているような、強い芯を持った人物であることは間違いない。
 麻薬カルテルに脅されようとも動じない、そんなおじいちゃんがピンチに陥った時に見せる焦りが面白かったりする。予告動画に入っているのがそれだが解決の仕方が最高です。
 そんなおじいちゃん、家族の記念日にも無頓着な彼は自分の娘にも嫌われてしまっているのだが孫には好かれている。
 自分が子供の頃にもなんでこんな嫌われているんだろうといった人がいた。身近にいるからこそ感じる嫌悪感なのだろうが距離を置いた位置から見るその人は面白くて良い人だった。
 どこへ行ってもアールはアール、そんなアールのキャラクターはすぐに人を惹きつける。
 一見怖い人でもアールとやりとりを続けるうちに仲良くなってしまう。そんな魅力がアールにはある。
 
 クリントイーストウッドという人物に重なるような設定、6人の女性との間に8人の子供がいるというイーストウッド。彼の私生活はわからないがアールと重なる部分はかなりあっただろうことが想像出来る。
 イーストウッド自身、何か思うことがあったりするのかな、なんて思ったりもする。
 なんといってもアールを嫌っている娘役がイーストウッドの娘なのだ。
 そんなアールの家族との繋がり方もこの作品に色を付けていく。

 運び屋としてトラックを走らすアールは実に自由で伸び伸びとしている。歌まで唄ってノリノリである
 寄り道なんかも平気でしちゃう。側から見るととても麻薬を運んでいるとは思えない行動。しかしそこが利点となり運び屋稼業は好調を維持するが、そこに起承転結の転が来る。

 冒頭でも書いたがこの映画はシンプル、テンポも良いので非常に見やすい。薄味になることもなくしっかり完成されているので万人にオススメ出来ます。憎めないおじいちゃん、アールを堪能してください。

 イーストウッドは今もなお映画を作り続けており、2019年12月にまた実話ベースの映画『リチャード・ジュエル』を公開するようです。(日本公開は2020年1月17日)
 アトランタ五輪開催中に爆弾を発見したことで人生を狂わされた警備員リチャードジュエルを描いた映画だそうです。楽しみですね!
リチャードジュエル予告はこちら↓

↓『運び屋』をいつでも観られるように…

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『マンハッタン無宿』('68) ※初ブルーレイ化
恐怖のメロディ』('71) ※初ブルーレイ化
アイガー・サンクション』('75) ※初ブルーレイ化
真昼の死闘』('70)
『シノーラ』('72)
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↓今、運び屋といえば…デスストランディング



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