毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

下肢を持たず、上半身のみでレスリングに挑むザイオン・クラークを追ったNetflixオリジナル『ザイオン』を観た。12分弱の短編ドキュメンタリー。短所を長所に変える身体能力に興奮した。

ザイオン

 私は格闘技が好きで、その中でも『バーリトゥード』、いわゆるなんでも有りのルールの物が特に好き。金的も目潰しも有りなバキ的な漫画の世界にまで目を通し、人体の利点を如何に活かし、相手をねじ伏せるかまでの行程に芸術を感じる。
 特に異なる利点の強化の仕方をしてきた物同士の異種格闘技戦なんかは大好物で、それこそ『グラップラー刃牙』なんかは読み漁っていました、友達に全巻借りて。買えよって話ですが。

 総合格闘技において私が思う試合を有利に運べるジャンルの一つに『レスリング』があります。寝技の利点を強化しているスタイルですね、床で人体をコントロールする競技。人体のバランスを感じながらの駆け引き、そこに足の重量があることによりバランスよく転がせる、しかし相手に足が無かったら…
 弱点を利点に変えて闘うザイオン・クラークという生まれつき下肢を持たない者を追ったドキュメンタリーが今回紹介する作品『ザイオン』である。12分弱の短い作品なのでサクッと観れるでしょう。下肢の無い者が四股を持つ者と闘う、圧倒的に不利に見える状況を一変させる利を活かした闘いぶりに究極の異種格闘技感を感じた私は目を見開いて興奮した。

生まれたときから下肢を持たず、長い間里親の家を転々として育ったザイオン・クラークは、レスリング競技に活路を見出し、日々練習に励む。短編ドキュメンタリー。(以上、Netflixより)

予告編↓

 この作品の魅力はなんといっても12分弱に収められたザイオンの闘いっぷりでしょう。彼の悲惨な生い立ちを深く追っていたらもっと長くなっていたはず。
 過去を晒して変に同情を誘うよりも今を生きるタフな自分を撮ってくれ、みたいなザイオン自身の意向も感じられる。

 レスリングに向き合って上半身を鍛え上げるザイオン、それはそれは美しい肉体美。それだけ鍛え上げても下肢が無いので素早さを保てる、というか腕の筋肉が素早さに直結する構造。
 小さく素早い的を捉えるのも一苦労なのに捉えた後、下肢が無いので捉えきれない。袈裟固め的に斜めに捉えるしかない、しかし腕力で押しのけられたら一瞬で抜けられる。
 一度すり抜けられると素早い動きで体勢を整えられてしまう。二の足を踏んでいると素早い動きで筋肉隆々の腕が伸びてきて足を取られてしまう。
 その素早い動き、芸術です。羽生君バリの鮮やかさ。

 障害者を単なる見世物的な扱いをすることなく、ここまで格好良く魅せるNetflixのドキュメンタリーはほんとクオリティ高いと思います。

 ザイオン BIG UP!