毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

Netflixで観た、イギリスのシンドラーの映画『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』が凄く良かった!泣いた!

ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち

 80年代後半、物置に眠っていた一冊のスクラップブックがウィントンの妻により発見された。ウィントン自身、今まで語ることもなかったという彼の功績を、妻が伝えるべきと公開した。

 『この人がいなければ今の自分はここに存在していなかった』という事実をホロコーストを逃れた人達が今知り、彼へのリスペクトとともに、受けた善意を受け継ぎ、次の世代へと繋いでいく。その活動の一環がこの作品である。

 救われた人達とその子供や孫が話を紡ぎ、当時の状況を振り返りながら再現ドラマを交え、映画は進行していく。
 勿論、ウィントン本人も登場し、彼に救われた人達からの感謝も伝えられる。

予告編↓

96点

 ウィントンが行ったこと、それは『キンダートランスポート』という活動でした。
 1938年、ナチスドイツによるユダヤ人への強制出国政策が強まり、出国を決意する者が急増すると、難民の大量流入は失業者を増やすという不安からか、世界各国は受け入れ拒否の姿勢を取るようになっていた。
 その状況下で子供だけでも出国させてほしいとの声が国際世論を動かし、イギリスの民間団体が政府に請願した結果、入国の許可を得ることに成功。ただしその条件はあくまでも一時的避難であり、全ての業務を民間団体で行うこと、経費も全て民間団体が負担すること、というものであった。
 少しでも負担を減らすために、里親になってくれる人がいる子供が優先されたので、イギリスの救援団体は寄付とともに里親も募っていた。
 
 一方、ニコラスウィントンがスキーの予定を変更し、救援活動でやってきて見たチェコスロバキアという国では、ドイツからの難民やらが押し寄せて悲惨な状況になっていた。
 ウィントンは悲惨な未来を予見し、個人でこのキンダートランスポートを始めるのだ。
 チェコにはドイツにあるユダヤ人出国組織も無く、イギリスの出国援助組織もチェコに特化した所は無く、ウィントンはそこで救援活動をしていた仲間とともに、自宅を事務所として、仕事が終わった後、入国に必要な書類の作成から里親探しまで行い、イギリスの出した条件、一人50ポンドの補償金も自腹で払い、多くの子供をイギリスに渡らせた。
 その総数が669人だったらしい。ウィントンのリストには6000人もの名前があったという。里親がもっと見つかっていれば…という思いからウィントンは口を閉ざしていたのかもしれない。『シンドラーのリスト』でのシンドラーが泣き叫ぶあの場面が脳裏をよぎる。

 ホロコーストから救われた人達が子供を持つ親になり、孫までいる人もいる。
 そんな人達が、ホロコーストの被害者である生みの親が当時泣く泣く自分を手放した気持ちを考える、その悲しみの大きさを知る。
 それを思い、涙を流す人達を見ているとこちらも涙が溢れてくる。

 ニコラスウィントンの功績が称えられ、BBCの番組にウィントンが出るのだが、そこでBBCが行う演出がベッタベタだけどそれがものすごく良い。何度見ても泣ける。
 
 冒頭で書いた通り、この作品は『善意の継承』がテーマでもある。ウィントンの善意に感銘を受けた人々がまた自分も善行を行なっていく。

 彼らは正に『family』原題である『Nicky’s Family』なのだ。
 
 そしてこの作品を観て涙した我々もまたファミリーであり、『善意の継承』をしていこう、という話でした。


 このニコラスウィントンという人自体、とっても可愛い人であり、面白い人である所も良いですよね。


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