Netflixオリジナル映画『リバース』を観た。昔マルチ商法に誘われた時にあえて釣られて行ってみた体験を思い出すなんとも言えない気持ち悪さを感じる映画でした。
『マルチ商法』
誘われた経験のある人は少なくないであろうこの悪いイメージの付いている商売。自分はこれのどこが嫌われているのか、問題のある箇所はどの部分なのかを探るために一度浅く潜り込んだことがある。
そこにはキラキラした人たちがいた。お金を稼ぐ、その目標に向かって協力し合う非常にポジティブで明るい雰囲気がそこにはあった。
しかし、自分がその人たちのようになる像が見えなかった。扱う商品に全く興味が湧かなかったしそこに友人を連れてくる勇気も無かった。
何よりそのキラキラ感がどこから来るのか奇妙でしょうがなかった。お気に入りの自社製品によほど自信があるのか、一定の収入が入る位置にいるからこその余裕なのか。
ある意味洗脳に近いとまで思ってしまった。だって扱う商品に全く興味が湧かないのだもの。
ここまでマルチ商法の話をしてきたが、この映画は自己啓発セミナーのお話。
なぜマルチ商法の話をしたのかというと、見終えた後の気持ち悪さがまさにマルチ商法の内部を見た気持ち悪さと一致したからだ。
平凡な日々を送るカイルは、久々に再会した友人のザックに自己啓発セミナーに誘われる。だが次第に誘惑や暴力に満ちた罠が彼を心理的に追い詰めていく。(以上、Netflixより。)
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78点
自己啓発セミナーというとこれまた胡散臭いものを想像してしまうが、海の向こうではそれに参加することがステータスにもなり得る、そんな趣味の一環のような立ち位置にあるとどこかで読みました。
そんな自己啓発セミナーにハマる友人のザックに誘われたのをきっかけに、主人公のカイルは興味本位で『リバース』を体験しに行くといったストーリー。
自分的にはここから洗脳された人たちの中に入り、心理的な恐怖がジリジリと描かれるのを期待して観ていたのだが、なんとなく中途半端な感じで進んでいく。
当たりでもない外れでもない芸人の怖い話を聞いている感覚。
しかし、自分はこの映画の気持ち悪さが好きなんです。その気持ち悪さに襲われるのが、終盤からのオチ。そういう展開!?みたいな。からのー、エンドロール。
マルチ商法に潜り込んで感じた気持ち悪さはマルチ商法に潜り込みかけたことのある人でもわかるはず!
逆に言うとハマらない人には全くハマらない映画とも言えます。
「マルチにハマる奴はバカ!」みたいな勢いで完全に別種としてマルチに関わる人を扱うような人には見えない部分が、実際に身近に感じた、感じられる人には見えるはず。そして最高に気持ち悪くなるはず。
スッキリはしません、うわぁ…といった気持ちになります。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかもわかりません。人によって変わるような、そんな映画でした。
ちなみに自分はこれバッドエンドと捉えております。
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