毎日Netflix

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主にNetflixで観た映画の紹介、劇場で観た映画も。

可愛げの無い描写が生むリアル。社会から見捨てられる少年と犯罪の繋がりを描いた映画『少年と自転車』をNetflixで観た。

少年と自転車

 エンタメ映画に出てくる『悪ガキ』にはどこか微笑ましい部分があったりする。最後まで悪ガキのまま放ったらかして終わるよりも、ちょっと丸くなって終わったり、なんらかの救いが与えられたりした方が気持ちの良い終わり方になる。
 可愛げのある部分があるからこそ、救いの手が伸びてきて、ある日それを掴む決断を自分に下し、更生していく。
 しかし、この世には救いの手も伸びてこない、本当に可愛げの無い子が存在する。

 今回紹介する映画『少年と自転車』は2003年に日本で行われた少年犯罪のシンポジウムで話された育児放棄の話に着想を得たベルギーの映画監督、ダルデンヌ兄弟が撮った作品。

 育児放棄された孤独な少年シリルは、ある日、美容師のサマンサと知り合う。週末をサマンサの家で過ごすようになったシリルは、サマンサの協力を経てやっと愛する父親の居場所を突き止め、会いに行くのだが…

予告編↓

90点

 このシリルという少年がとにかく可愛げがない。人の話を聞かない、平気で嘘をつく、落ち着きが無い、短気ですぐひねくれる、やめろと言われてもやめない。
 「主人公に全然愛着がわかないからダメ」と見放す人がいるかもしれない。しかしこの映画はそういう人に向けられた作品なのかもしれない。
 今一度考えてみてほしい、こういう子、現実にめちゃくちゃいるじゃないか、めんどくさいから放っておかれる系。

 ん?なんか身に覚えがあるぞ?

 思い返せば昔、生徒の人気者だった先生が受け持つ、校内のお花を手入れする『フラワー委員』の活動に参加していた自分に対し、いつも距離を取って接していた分、直接指導せざるを得ない状況になった時、いつもにこやかな彼の表情はずっと曇り、イライラしていた。そのギャップに衝撃を受けて以来、自分は素直に人を信用出来なくなった。

 そんなしょうもない昔話はこの辺にしておきまして。

 このシリルという少年に救いの手を差し伸べるのはサマンサなのであるが、今まで周りから無下に扱われてきたシリルは肝心なところで手を払いのけてしまう。
 そんなシリルのやることなすこと、社会からの突き放され様を見続けされるととても不憫に思えて悲しくなってくる。
 そして無自覚に起こす犯罪、それが元で訪れる不幸の連鎖。
 救いの手を握る彼の手は、またいつ払われるかわからない。心に不安が残ったまま…

 
 社会から見放され、救いの手も伸びてこず、自ら孤独を選び、大きな犯罪を犯す現代の大きな子供達にも繋がる何かを感じました。


 心に残る好きな映画。人を選ぶ作品なので万人には勧めません。



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